平成26年7月吉日
第63回日本輸血・細胞治療学会総会
総会長 田所憲治
総会長

  この度、第63回日本輸血・細胞治療学会総会の総会長を務めさせていただくことになりました。2015年(平成27年)5月28日(木)、29日(金)、30日(土)の3日間にわたり、東京新宿区の京王プラザホテルで開催の予定です。役員、各種委員会委員、そして東京近縁の会員の皆様のご協力を得てこの重責を果たしたいと考えています。
  今回の総会テーマを「輸血医学の高さと広がりを求めて」とさせていただきました。
  補助療法として慣習的に行われてきた輸血にも近年見直しがなされ、その科学的根拠が求められてきています。大量出血への対処法や輸血適合にかかる検査はその例です。また、輸血学の分野も血液成分の輸血から、細胞治療、再生医療へと広がりを見せています。再生医療法などの法的整備も進み、iPS細胞由来の血液成分の製造も現実の課題となりつつあります。輸血学の更なる「高さ」を求めてその科学的根拠、輸血学の新たな動向をシンポジウム、講演で取り上げていきたいと考えています。
  一方、輸血は一般薬剤と異なり善意の献血者に依拠して成り立っていますが、急速に進む少子高齢化の中で、近い将来の血液不足が危惧されており、輸血に関わる全ての人々がこの問題を共通の課題としてとらえるべき時期に来ています。また、輸血には血液センターと医療機関の協力・連携が不可欠であり、医療機関の中でも、輸血部門、臨床医、検査技師、看護師、薬剤師、臨床工学師等の連携なくしては成り立ちません。輸血学の「広がり」を求めて、「共助」としての献血への取り組み、医療機関と血液センターの協力の在り方、各業種の役割とその間の連携にも焦点を当てたいと考えております。
  ポスターには、テーマと新たな東京を象徴すべく、広い関東平野に高くそびえるスカイツリーにさせていただきました。会員の皆様には演題を多数応募いただき、会場にあふれるばかりのご参加をお待ちしております。