平成25年7月吉日
第62回日本輸血・細胞治療学会総会
総会長 藤村 吉博

謹啓 時下、皆様益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
  この度、第62回日本輸血・細胞治療学会総会を2014年(平成26年)5月15日(木)、16日(金)、17日(土)の3日間にわたり、奈良市で開催させて頂く運びとなりました。奈良での本学会の開催は、昭和58年5月19 −21日に当時の奈良県立医科大学小児科教授(兼輸血部長)でおられた福井弘先生(故人)が第31回総会を開催されて以来で、実に31年ぶりとなります。学会は奈良公園内にある奈良県文化会館、東大寺総合文化センター、そして奈良県新公会堂の3会場を一巡約20分のシャトルバスで連結して開催する予定ですが、このコース内には国宝級の社寺仏閣が数多くあり、またこの季節は春日大社の長さ1mを超える「砂ずりの藤」がとりわけ見事であります。学会中には各自勉強の合間に、かかる名所旧跡を訪れる効果的なオプショナルツアーが組めるものと考えております。
  さて、輸血医療はこの31年間に飛躍的な進歩を遂げ、肝炎に代表される輸血後感染症、移植片対宿主病(GVHD)、取り違え防止策などへの取り組み等により輸血の安全性は大幅に高まってまいりました。また、造血幹細胞移植への取り組み等が評価され、本学会は平成18年の法人化と共に、その名称も日本輸血・細胞治療学会と変更され、輸血のみでなく細胞治療も対象とすることを明確にしました。さらに、より最近には血小板輸血や血漿交換療法による止血血栓療法の効用が分子レベルで明らかにされ、近代輸血医学は経験よりも、明確なエビデンス(evidence-based medicine, EBM)に基づいて構成される事が実証されました。一方では、臨床輸血看護師制度などの導入により、医師、検査技師、薬剤師に加えて看護師の会員も増加しています。
  このように素晴らしく育った日本輸血・細胞治療学会は幅広い分野での先人の御努力の賜物でもあり、本会では技師、看護師を中心としたシンポジウムを企画すると共に、「温故知新」のシンポジウム、また再生医療に代表される超最先端シンポジウム等を企画しておりますので、皆様の多数のご参加をお待ち致しております。

謹白
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