第69回日本輸血・細胞治療学会学術総会

総会長挨拶

 第69回日本輸血・細胞治療学会学術総会を2021年6月4日(金)、5日(土)、6日(日)の3日間にわたり京王プラザホテル新宿で開催します。

 2011年に半田誠会長(慶應大学)が予定していた第59回総会は東日本大震災のために紙上開催となりましたが、2020年第68回学術総会(紀野修一会長、日本赤十字社北海道ブロック血液センター)も新型コロナウイルスのために紙上開催になりました。しかし、これまでの輸血医療の歴史を振り返ると、厳しい状況の中でこそ大いにその真価を発揮し、大きく躍進し、万人の生活を守って来ました。COVID-19はまだ世界中で猛威を振るっていますが、私たちはこれと共存しつつ新しい生活様式を取り入れ、進化し続けなくてはなりません。とりわけCOVID-19との闘いでは、各分野の医療の専門家がそれぞれ最大限の能力を発揮して協力して制圧していくことが期待されます。現在、COVID-19の病態、診断、治療、疫学など多方面で爆発的に科学的知見が蓄積されていますが、輸血・細胞療法の分野でも例外ではありません。

 本学会のメインテーマは、「輸血医療の真価を問う」としました。COVID-19前からテーマを決めていましたが、COVID-19パンデミックが到来し、奇しくも正に合致するテーマとなりました。副題として前回のテーマである「持続可能な輸血・細胞治療をめざして」とし、第68回学術総会の意向も引き継ぎたいと思います。

 開催形式については、現地での発表・討論とウェブ併用を予定し、最悪の状況でもウェブ開催とします。ポスターはデジタル化しフラッシュトークを併用するなどして、口演同様に充実した発表の場を提供したいと検討しております。これまで同様、積極的な演題応募を期待しております。講演やシンポジウムは期間中オンデマンドで視聴できるようにします。海外演者は原則としてウェブでの講演にします。ホテルとも協力して、3密を避けて十分に感染予防に配慮し、モーニング及びランチョンセッションを開催できるように検討しています。新たな学会の在り方を模索しながら、持続可能な輸血・細胞治療の真価を示せる場としたいと考えております。

 東京は夏のオリンピック・パラリンピック開催を目前に装いを新たにしています。今回は土曜、日曜を含め、皆さんが参加しやすいようにいたしました。新しい形での新たな一歩の学術総会が実りあるものとなるよう皆様是非とも積極的にご参加ください。

第69回日本輸血・細胞治療学会学術総会 総会長
慶應義塾大学医学部 輸血・細胞療法センター 教授
田野﨑 隆二

※演題登録には、利益相反状態の申告に加えて、「学術総会への演題応募における倫理的手続きに関する指針」に基づき、倫理委員会審査済であることが必要な場合があります。
詳細は学会ホームページからご覧ください。