第27回日本輸血・細胞治療学会秋季シンポジウム/2020年10月23日(金)・24日(土)

会長挨拶

会長:加藤栄史

第27回日本輸血・細胞治療学会秋季シンポジウム

会長 加藤 栄史

(愛知医科大学輸血部・細胞治療センター 教授)

 第27回日本輸血・細胞治療学会秋季シンポジウムを2020年10月23日(金)、24日(土)の2日間にわたり愛知県産業労働センター(ウインク愛知)で開催します。名古屋における本学会の総会・秋季シンポジウムは、2000年代で2007年に高本滋先生(愛知医科大学輸血部)が第55回総会、2009年に浅井隆善先生(静岡県血液センター)が秋季シンポジウム、2010年に高松純樹先生(名古屋大学病院輸血部)が第58回総会を開催されており、今回は10年ぶりの開催となります。愛知医科大学輸血部のスタッフを中心とし、東海地区の輸血関連の先生方のご協力を仰ぎながら、有意義な会になるよう開催準備にあたっています。

 また、10月23日(金)には同じ会場にて、2020年度全国大学病院輸血部会議が三重大学医学部付属病院輸血・細胞治療部 教授 大石晃嗣先生を議長として開催されます。

 今回のシンポジウムのメインテーマは「古くて新しい輸血細胞療法」としました。ご存知の様に、1900年より近代輸血が出発しましたが、輸血療法は何十年前から行われ、当初は生血、全血が使用され、輸血後感染症など多くの輸血副反応により、患者さんの予後に影響を与えてきた歴史があります。その後、医学の進歩と共に輸血後感染症などの重篤な副反応は減少し、さらに、洗浄血小板製剤の供給や輸血認証システムの開発などもあり、より安全かつ有効な治療となっています。また、細胞療法も、古くは養子免疫療法(LAK)などが行われましたが、今や、iPS細胞を用いた再生医療、CAR-T細胞を用いた細胞免疫療法など高度かつ有効性の高い治療が実践されつつあります。この様に、輸血細胞療法は、古くから実施されてきましたが、医学の進歩に伴って最新の医療の一翼を担うようになり、今後、更なる発展性が期待されています。

 今回のシンポジウムでは、輸血関連検査、ベッドサイドでの管理など輸血療法の基本や将来、さらに、今後の細胞療法の道筋が見える様なプログラムとなるような内容を考えています。また、特別講演には、再生医療第の第一人者であるスタンフォード大学中内啓光先生をお招きし、今後の再生医療についてご講演頂く予定です。

 今回は、例年と異なり、全国大学病院輸血部会議に続いて、同日午後からの開催とし、半日増えた1.5日間となります。また、展示会場も金曜日朝からの2日間を予定しています。ご参加の皆様に於かれましては、手羽先、天むす、きしめんなど名古屋のソウルフードを堪能して頂き、胃袋の満足と共に輸血細胞療法に関する見聞を広めて頂ければと思います。