■ご挨拶

塩原 信太郎(石川県赤十字血液センター 所長)
 このたび、第23回日本輸血・細胞治療学会秋季シンポジウムを平成28年10月8日(土)に金沢市で開催させて頂くことになりました。北陸での開催は記念すべき第1回(中村徹会長、福井市)に続いて2回目になります。金沢では初めての開催になります。シンポジウムの会場は金沢市文化ホールで金沢市の中心に位置し、兼六園、金沢城、尾山神社など金沢の文化遺産の近くにあり、21世紀美術館、しいのき迎賓館など新旧文化が入り混じった新しい金沢を代表する場所です。
 本シンポジウムのテーマは“変貌する輸血・細胞治療のプラットホームを探る”としました。1900年にABO血液型が発見され近代的輸血が始まり、1980年代からはHLA抗原を合わせた骨髄移植が始まり、輸血も骨髄移植と同様に移植片と宿主(患者)の混合キメラとして重層的に分析出来るようになりました。その知識を基に輸血後GVHDを解析し、輸血片中のリンパ球の威力を証明でき、現在の細胞治療へと発展してきたことは記憶に新しいものがあります。しかし日々実施されている輸血は医療制度の変革の中で大きく変化しつつあり、変化に合わせた対応を計画的に準備していく必要があると感じます。
 そこで本シンポジウムは輸血の“学術的基盤”、“輸血副作用からまなぶ”、“輸血医療のきんてん化”の3つの項目を取り上げ、午前2つのシンポジウムでは最新情報を、午後はワークショップとして政策立案者を招き、地域輸血医療を担う医療者、血液センター、地域行政の立場からそれぞれ議論して頂けるように企画しました。また、学会資格認定制度の単位取得講座も複数計画させて頂きました。一日ですがこれからの輸血細胞治療を考え、2025年問題に代表される超少子高齢社会に対し準備を始める一助になると幸いです。
 平成28年10月7日(金)、8日(土)は例年秋晴れの行楽日和です。7日夜は全国大学輸血部会議と合同で金沢城内での懇親会を予定しています。3連休の初日ですので20分で富山、50 分で福井にも足を伸ばし、学問や学生を大事にしてきた北陸の食と文化を満喫して頂きたいと思います。北陸新幹線の開業により首都圏からは大変便利になりました。ぜひご家族連でおこしください。宿泊予約は真先にアップさせて頂きますのでご利用いただきますようお願いいたします。
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