総会長挨拶

平成27年6月吉日
第64回日本輸血・細胞治療学会総会
総会長 前川 平


 この度、第64回日本輸血・細胞治療学会総会を2016年(平成28年)4月28日(木)、29日(金、祝日)、30日(土)の3日間、京都国際会館(京都市左京区宝ケ池)で開催させて頂くこととなりました。京都で当学会が開催されますのは、平成10年以来実に18年ぶりとなります。会員の皆様のご協力を得て本総会を実りのあるものに致したく考えております。

 今回の総会テーマは「輸血から細胞治療への新展開」とさせていただきました。
 本学会は平成18年に法人化され、名称も日本輸血学会から日本輸血・細胞治療学会となり、輸血のみでなく造血幹細胞移植をはじめとする細胞治療も対象とすることを明確に示しました。最近では、認定輸血看護師制度などの導入により、医師、検査技師、薬剤師に加えて看護師の会員も増加し、チーム医療としての輸血医療の重要性を発信しております。さらに、細胞治療認定管理師制度も具体化され、本学会は従来の輸血療法に加えて、難病に苦しむ患者さんに細胞を用いたあたらしい治療法を提供すべく、大きな一歩を踏み出しました。

 第64回総会では、血液製剤・血漿分画製剤の安全性と有効性、新しい凝固因子製剤の開発と臨床への展開、新規の輸血検査法を含めた輸血療法全般にわたる進歩に加えて、再生医療新法等の施行により、体性幹細胞やiPS細胞を用いた細胞療法・再生治療のさらなる発展とともに、周辺産業の活性化が今後大いに期待され、最新の情報を参加者の皆様方に分かりやすくお示しするものにしたいと計画しております。

 特別招請講演では、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授にお話し頂く予定です。さらに、特別講演、シンポジウム、教育講演、共催セミナーなど、輸血療法の進歩やチーム医療の重要性に加え、移植治療の進歩、間葉系幹細胞を用いた細胞治療、種々の再生医療や遺伝子免疫細胞治療、抗凝固療法や血小板疾患の最近の話題などを発表していただく予定です。

 新緑の京都で開催されます本学会に、是非多数の皆様方のご参加をお待ちもうしあげております。古都のおもてなしを存分に楽しんでいただくとともに、Transfusion Medicine and Cell Therapyとして輸血医学・細胞治療のあたらしい方向性を展望していただければと思っております。

 どうぞ宜しくお願い申し上げます。



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